【僕と彼女と彼女の生きる道】再放送・第12話
#12 絆
親権は可奈子(りょう)に変更された。
仕事を終えた徹朗(草なぎ剛)が帰宅すると、すでに可奈子が凛(美山加恋)を迎えに来ていた。可奈子は凛を促した。
「お父さんに挨拶して」
凛は徹朗を見つめた。
「お父さん、さようなら」
徹朗が何も言えないまま、凛は可奈子と出ていった。
ゆら(小雪)が訪ねてきた。
「こんにちは」
返事がない。
子供部屋をのぞくと徹朗がぼうぜんとベッドにもたれていた。
ゆらは徹朗の横にすわると、徹朗の髪を優しくなでた。ゆらの目から涙がこぼれた。2人の胸に熱い悲しみがこみあげてきた。
翌朝、ベッドにもたれ、寄り添ったたままで寝ていた徹朗とゆらは、目を覚ました。
「おはようございます」
「おはよう」
徹朗も目を覚ました。
「…いてくれて、ありがとう」徹朗は言った。
「もう少し、いましょうか」
「凛が出て行った—」
ゆらの言葉に答えることなく徹朗はつぶやいた。
洋食屋の仕事は凛のことが頭から離れず集中できない。徹朗は皿を洗い終え、運ぶ途中に皿を落とし割ってしまった。
「すみません」
「具合でも悪いのか?」
「いえ」
「仕事にならないなら、帰れ」
そう言われ、とぼとぼと洋食屋をあとにする徹朗だった。
翌日、徹朗は仕事を休んだ。スーパーマーケットへ買い物へ行くとゆらに会った。
「洋食屋、もう辞めようかと思ってる」
「どうしてですか?」
「凛がいなくなったんだから、意味ないよ」
ふてくされながら徹朗は胸の内をゆらに打ち明けた。
凛のためにみどり銀行を辞め、自分には合わないけどやりたくもない洋食屋の仕事も凛のために選んだと。
「凛ちゃんを言い訳にするのは、やめてください」
突然ゆらが言った。
「してないよ」
「どうでもいいよ。凛はもういないんだから」
そう言い残して行こうとする徹朗にゆらが怒った…。
引用:番組HPより